山梨県発ペットのフリーペーパー「ペット雑誌BUDDY(バディ)」 2019年8月号掲載
動物とともに生きていく…。そう心に決めた人たちがいる。そんな人たちの動物との出会い、交流、そしてライフスタイルを紹介していくのが「My Buddy(マイバディ)」です。動物を愛する人たちの日々の暮らしには、動物と楽しく暮らすためのヒントが満載! 動物の幸せを願って…、彼ら彼女たちの想いは同じです。じっくりとご覧ください♪ |
【お店の看板犬として活躍中!】お客さんに癒しを与え続けるミニチュアダックスフンド♪
山梨県甲府市/上田さん×ベック(ミニチュアダックスフンド/男の子/10歳)
ペットロスで傷ついた心を癒してくれた特別な子。ミニチュアダックスフンドのベックは、甲府市にある「美容室クール」のオーナー、上田さんの愛犬。人が大好きなベックは、その癒しの力で、上田さんはもちろん、お店の看板犬として、犬好きのお客さんを癒し続けている。
その小さな体に秘められた大きな癒しの力で、周りの人たちを笑顔にする。甲府市にある美容室「クール」の看板犬として活躍中なのが、ミニチュアダックスフンドのベックだ。
犬好きなお客さんにとっては、まさにアイドル的存在。ベックはお店のオーナーである上田さんの愛犬だ。
「ベックが家に来る前には、シェルティ―を飼っていました。その子が16歳で亡くなって…。いなくなってから、その子のことばかり考えて、悲しくて悲しくて、どうしようもなかったですね」
シェルティ―との出会いは東京だった。その頃、東京で美容師の修行をしていた上田さんは、ペットショップで一目惚れして、すぐに迎え入れた。修行が終わり、東京から山梨へ。一緒に16年の日々を過ごしたが、天国へ旅立っていった。
大切なものが目の前から消えた…大きな喪失感。そのペットロスの傷を癒してくれたのが、ベックだった。出会いは、山梨のペットショップ。
「他の子と違って、ベックは何て言うか堂々としてたんですよね。そこが気に入りました」
次に迎えるなら小型犬と決めていた上田さんは、この子を家族として迎えることを決断した。3ヵ月の時に家にやって来たベック。
「家に来たときは、ソファの下を通れるぐらい小さくて、もう、かわいくて、かわいくて、しょうがなかったです。おっとりしてて、甘えん坊な性格だから、ついつい甘やかしちゃうんですよね。ベックが小さい頃から、布団で一緒に寝ています(笑)」
「言葉が通じるなら、幸せなの?って聞いてみたいですね」とは上田さん
子供の頃から隣には犬がいて、いろいろな犬種とともにずっと過ごしてきたという上田さんにとって、ベックは特別な存在だという。
「今まで飼ってきた犬とは、なんか、全然違うんです。この子は特別な子。すごくおだやかで可愛くて、セラピー犬じゃないですけど、人を癒す特別な力があると思うんです」
その癒しの力を実感しているのは、上田さんだけではない。ベックは1歳の頃から、お店に出て看板犬としてお客さんをお出迎えして、癒しのひとときを与え続けているのだ。
「人なつっこいし、噛まないから、看板犬には向いてると思います。お客様にも安心して撫でてもらって、みんなに可愛がられてますね」とは上田さん。
お互いが笑顔になれる理想的な関係
お店の常連で、大の犬好きの浅川さんは語る。
「ほんとに、いい子。この子に会うのが楽しみで毎回お店に来てます。お店の前を通るときも、この子のことが気になって、本当はお店の中に入って撫でたいんですけど、さすがにそれは遠慮しています(笑)」
浅川さんに撫でられて目を細めて嬉しそうな表情をするベック。
「あなたは、みんなから愛されて幸せだね」と、ベックを見つめながら語るのは常連の浅川さん |
「ベックの看板犬としての仕事は、お客さんのお出迎えと抱っこされること。この子は抱っこされるのが好きで、いつも抱っこされてトローンってなってますよ」とは上田さん。
とにかく人が好き。さわってもらうことに喜びを感じるベックとさわることで、癒しをもらっているお客さん。お互いに笑顔になれる、理想的な関係がここにはある。
お出迎えや抱っこされる以外にも、お客さんがお店に来れば、上田さんを呼びに行ったり、上田さんが外で洗濯しているときにお店の電話が鳴ると、吠えて知らせたり、癒しのお仕事だけでなく、お店のスタッフとしても素晴らしい働きをしているというベック。
お店以外でも、上田さんの隣には常にベックがいる。買い物に行くのも一緒、休みの日も一緒。県内だと御勅使川の公園に行ったり、湯村山でトレッキングしたり、二人の時間も大切にしている。
「私にとっても、この子は、癒しですね。近くに寄ってきて甘えられると、すごく癒されるんです。何かあって疲れているときも、触って、癒されてますね」
現在、上田さんは、美容師の仕事をやりながら、祖母の介護もしており、毎日車で病院に通っている。そのときも、隣には必ずベックがいる。
「病院の中にはベックと一緒に入ることはできませんが、介護の疲れも、ベックの顔を見ると、吹き飛びますね」と、ベックを愛おしそうに見つめる上田さん。
キャンピングカーで旅行するのが夢
「ベックは10月で11歳を迎えます。いま食事制限などもしてますが、一日でも長生きしてほしいですね。元気な姿で看板犬の仕事を続けてほしいです。これからの夢は、キャンピングカーを借りて、ベックと一緒に旅行に行くことですね」
上田さんが語る夢を聞いているのかいないのか、お店入り口のドアの前で、寝転んでまったりしはじめたベック。
「こうやって、まったりくつろいでいる姿を見るのは、ホントに幸せですね。そういえば、ベックが小さい頃、入り口のドアを開けたら、急に飛び出していっちゃって、いなくなったことがあったんです。探してもいないし、どこ行ったんだろうって心配してたら、近くのドラッグストアにいることがわかって。まったく、どうやって自動ドアを開けて一人で中に入っていったのか…いまだに謎ですね(笑)」
上田さんにとってベックは大切な宝物、子供のような存在。これからもベックは、上田さんとお客さんを癒し続け、笑顔の輪を広げていくことだろう。
今日もベックはお店のドアの前に立ち、尻尾を振ってお客さんを迎える。さぁ、楽しいお仕事の時間だ。
(終わり)
撮影協力:「美容室クール」 山梨県甲府市富士見1丁目22-9 営業:8時~18時 定休日:月曜日・第3日曜日 |